こんぶ土居

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最終更新日: 2025/06/07

こんぶ土居

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断面。本日、倉庫に積み上げた黒口浜の天然真昆布。いえ、特に意味は無いのですが。昆布の中に潜む視覚的な『美』を探してみようかと。昆布の熟成が進むのはこれからの季節。見た目も変化してゆくのです。

2025/06/02に公開- 指定なし

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昆布に関する作品展があるみたいですよ。ご興味ある方は、足を運んでみては？以下、作者の上岡安里さん（@asatokamikamioka）のポストからの引用です。上岡安里個展昆布/家族 (KOMBU/FAMILY) 2025年6月7日〜6月15日 13:00〜19:00 GUJU GUJU(東京都江東区深川1丁目4-8) @gujuguju_tokyo ーーーーーーーーーーー高校の友人・たまちゃんがオルタナティブスペースを始めた。彼女とは専攻も部活も同じ、実家も同じ江東区という共通点があった。高校の頃、学校終わりに「キラキラ通り」を探しに行こうと言い、銀座・丸の内の1番キラキラしている通りを探し歩いたのが思い出。私は2022年から昆布干しで夏の数ヶ月間、北海道に行くようになった頃、彼女は北海道の住人になっていた。時を同じくして、私たちは広い北海道のどこかにいた。昆布作品が、ひとつふたつと作れるようになった。それは北海道でお世話になった方々、金沢で帰る場所・仕事を用意してくれた方々、東京・関東圏にいる家族や友達・困った時のアドバイザーの支えあってのこと。感謝。今夏の前に主に去年の昆布干しについての作品を展示します。お近くの方、興味ある方、観にきてくれたら嬉しい〜！！

2025/05/31に公開- 指定なし

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アメリカのニューヨークから、Instagramで海藻について発信してくださっている方がおられるようです。その名も、「seaweed san 海藻さん」（@seaweed.san） https://www.instagram.com/stories/seaweed.san/ この度、昆布の表面に浮き出る白い粉について書いて下っていたのですが、その際に私が書いた「こんぶ土居店主のブログ」の過去記事を引用して下さいました。 2020-06-29投稿の「昆布の表面の白い粉」ですが、海の向こうで私の書いたものを読んで下さっているとは嬉しいですね。『Mr. Doi writes that the amount of white residue varies not only according to the kelp’s quality, but also depending on how it’s processed and stored. So, more powder on the surface doesn’t necessarily mean higher-quality kelp. （土居氏は、白い粉の量は昆布の品質だけでなく、処理や保存の仕方によって異なると書いています。ですから、表面により多くの粉がかかっても、必ずしも高品質の昆布を意味するわけではありません。）』と端的に表現して下さいました。詳しい内容については、私の当時のブログをご参照下さい。 https://konbudoi4th.hatenablog.com/entry/2020/06/29/112146 （@seaweed.san）さんの、この日の投稿は、とても面白いですよ。三枚目の写真には、偶然にも昆布の粉が描いた驚きのアートが見て取れます。ぜひチェックを。 https://www.instagram.com/p/DKNBDhsRZYu/?img_index=1 一点だけ修正を書くとすれば、昆布の表面の白い粉の主成分であるマンニトールについて、『It is often referred to as a component of Umami』と書かれている点です。マンニトールは糖アルコールですから、アミノ酸や核酸の味を表現する際に使われる「UMAMI、うまみ」ではありません。「うまみ」という言葉が流行り言葉のように使われている現状について、過去から何度も問題提起してきましたが、私共では「うまみ」という言葉を一切使わないようにしています。そちらについては、2024-12-21のブログ「『うま味』『UMAMI』とは、新しい『造語』である。」にて詳しく書いています。しかし、この日の投稿は、日本語を理解しない方が翻訳機能を利用して読んでも意味が全く通じません。このあたりも、「UMAMI」という言葉の問題点なのです。 https://konbudoi4th.hatenablog.com/entry/2024/12/21/121511

2025/05/29に公開- 指定なし

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『低温乾燥、イタリアに学べ』画像３枚は、市販されているパスタのパッケージを撮影したものです。 ESSICCAZIONE LENTA、Essiccata lentamente、Lenta Essiccazione。書き方は少々違えど、どれもパスタの低温乾燥について書かれています。こういった表示はイタリアには非常に多く、彼の地ではパスタを高温で乾燥させることの問題点が広く知られているということでしょう。日本の乾麺に、このような表示を見つけることはほとんどありませんから、残念ながら意識が低いと言うことかと。一部の食品を除き、基本的に乾物食品を高温で乾燥させることは良くありません。昆布も当然そうです。天日乾燥に近い温度帯から離れ、高温の機械乾燥室に入れると、早く乾きますが品質に問題が出ます。私は、昆布を見れば乾燥機の仕様が分かりますし、だいたいの乾燥温度も分かります。問題は温度だけでは無いのですが、とにかく良くない乾燥状態の昆布を見ると、またそれが貴重な天然真昆布だったりすると、本当に嘆かわしく悲しくなります。イタリア人は偉いなぁ。見習いましょう。

2025/05/28に公開- 指定なし

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『冷蔵のススメ』この写真は、昨日、こんぶ土居スタッフで実施した比較官能テストの模様です。 2つのカップに入った液体は、こんぶ土居製品「十倍出し」を既定の希釈割合で薄めたものです。同じように見えると思いますが、実際に両方同じものです。違いは一点だけ、保存方法なのです。これらは、昨年の9月に製造したもので、実に半年以上が経過しています。つまり、賞味期限はとっくに過ぎています。その間、左はずっと冷蔵保管、右は常温で月日が経過させました。つまりこの比較は、保存方法による味覚の劣化度合を知るための実験であったわけです。結論としましては、左の冷蔵保存は作り立てとほとんど遜色の無い状態を保っていました。対して右側の常温保管品は、明らかに味わいが変化しています。腐敗したり健康上の問題が起きるようなことではないのですが、やはり徐々に味が劣化していくのです。冷蔵庫のスペースには限りがあるとは思いますが、未開封でも冷蔵保存していただくのが最も美味しく召し上がっていただくためには大切です。それが「必須」だというわけではないのですが、可能であれば入れて下さい。特にこれからの暑い時期は、注意して頂く必要があります。製品ラベルの保存方法の欄には、「冷暗所（15℃以下）」と書いていますが、これは暑い時期の常温を特に避けていただきたいとの意味合いです。秋冬の気温の低い時期であれば、味覚的にも大きな問題は出ないのですが。

2025/05/27に公開- 指定なし

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『昆布と塩』先週も書きましたが、大阪万博のパビリオン『ブルーオーシャンドーム』で販売されている『海と山の超純水』（写真２枚目）。高知の完全天日塩を、熊野古道の水に溶かしたものとのこと。パビリオン自体は、とても頑張ってるようにお見受けして素晴らしいのですが。この水については、やはり「水と塩」でなく、「水と塩と昆布」にした方が、断然に魅力的で、かつパビリオンの趣旨にも厚みが増したように感じます。特に古来より最上品位とされた真昆布の最上浜では資源が枯渇し、もう何年も天然昆布の漁獲がありません。ブルーオーシャンドームは、海洋の環境問題を主に取り扱った場所です。であるからこそ、味覚体験としての物販にも、海藻の危機を含めて来場者に見せた方が明らかに意義が深くなったことでしょう。写真は、私が昆布の上に塩を盛って撮影してみたものです。地味ながら不思議な美しさを発揮する昆布。塩との視覚的相性も、なかなかのもの。展示としても、人の目を引いたかも知れません。

2025/05/26に公開- 指定なし

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さて、以前もお知らせしましたが、テレビ番組『カンブリア宮殿』で取り上げられた、海藻ベンチャー『シーベジタブル』さんの挑戦、見て頂けましたでしょうか。 Tverで見逃し配信されていますが、29日（木）までです。まだの方は、ぜひ検索してみて下さい。 https://tver.jp/episodes/epkm0a3swg 海の砂漠化が進む世界。天然の藻場が回復することは最善。しかし、海藻養殖であっても、その海域に素晴らしいプラスの影響をもたらすことにもご注目下さい。それが広がるために、必要として消費する人の存在が不可欠です。海藻を食べて海の環境が良くなるなら、そんな素晴らしいことはありません。

2025/05/24に公開- 指定なし

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『海藻はスーパーフード』ベリーズという国をご存じでしょうか。中央アメリカの東岸に位置する国で、西側でグアテマラと接しています。四国より少し大きいぐらいの国土、人口40万人ほどの小さな国です。写真は、大阪万博でのベリーズのブースにて撮影したものですが、「SEA MOSS」と書かれている通り海藻が展示されていました。「SEA MOSS」は様々な紅藻類の総称であるようですが、パッケージには『SUPER FOOD』と書かれ、素晴らしい健康効果が強調されています。「SEA WEED」などと呼ばれ、海の雑草扱いされていたのは昔の話。そう、今や海藻食は「世界の食の最先端」なのです。この「SEA MOSS」、展示品で食べられませんから味は見ていませんが、そのまま食べると、恐らくそんなにおいしいものではないように思います。上手に料理すれば美味しく食べることもできる、といった感じでしょう。その点、昆布は他の海藻とは明確に一線を画する、口に含めば圧倒的に強い滋味が広がる「奇跡の海藻」です。世界中のどこを探しても、こんな素晴らしい海藻は無いのです。昆布以外にも世界で最も多様で深い海藻食文化を持つ日本。しかし、残念ながら国内では、消費も生産も減少の一途。各地の豊かな海藻食文化も急速に失われつつあります。一方、海外での評価は高まるばかりで、失礼ながらどこにあるかも分からないような小国でも万博で誇らしげに展示しているわけです。これ、一体どうなっているんでしょうか。目新しいものばかりに目を向けずに、足元にあるものの唯一無二の価値を見直すことが大切だと思われませんでしょうか。現状を正しく知って、使う。文化の継承と日本人の健康のために、それがとても大切だと思います。

2025/05/23に公開Expo2025 大阪・関西万博日本大阪府

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『だしつゆ、沈殿物多め』これからの季節に大活躍、冷たい麺類などにお使いいただくめんつゆ製品、こんぶ土居の「だしつゆ」。最新ロットの製品は、写真の通り沈殿物が多めです。理由は、いまいちよく分かりません。おそらくは、原材料として使用している小エビの素性が変わったので、その影響かと想像していますが。一般的な製品に比べて、私共の液体だし製品は浮遊物や沈殿が多く生じます。その理由は主に二つ。ひとつは、アミノ酸や酵母エキス等のうまみ調味料に頼らず、自然素材をふんだんに使用していること。そしてもうひとつの理由が、沈殿物や浮遊物を取り除くのに有用であっても、食品添加物を使わないことです。こういったタイプの食品添加物は表示が免除されている事例が多く、原材料表示に書かれていなくても使われている場合があります。これについては過去に、「こんぶ土居店主のブログ」にてご説明しています。 2020-05-29投稿の『表示を免除されるもの③加工助剤』などでしょうか。 https://konbudoi4th.hatenablog.com/entry/2020/05/29/173220 食品添加物が使われることによる安全性の懸念だけでなく、高度な濾過をすると味わいも痩せるのです。これについては、2020-09-03のブログ記事、『無濾過バンザイ！』にて詳しく書いています。 https://konbudoi4th.hatenablog.com/entry/2020/09/03/085105 この沈殿物、改めて濾してみても濾紙を全て通過してしまうほどの細かい成分です。見た目には美しいとは言えないかも知れませんが、このまま販売しますので、お使いの前にビンを振って均質化してご利用いただけますと嬉しいです。

2025/05/22に公開- 指定なし

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NHKの海外向け番組の国際放送『NHK WORLD』（@NHK WORLD-JAPAN）では、『Dining with the Chef』という料理番組が放送されています。この番組では、出演者が日本各地の伝統の郷土食やご当地グルメなどを取材した「Cook Around Japan」という紀行シリーズもありまして。昨日の放送では、大阪が取り上げられていました。その番組の撮影に、こんぶ土居へも来て下さいまして、昆布文化についてご説明しました。大阪の食文化をうまく表現した良い番組だと思います。『Dining with the Chef』とネット検索していただければ、公式ウェブサイトが見つかると思います。そちらで動画として見ていただけますので、ご興味あれば検索してみて下さい。土居登場パートは、動画の11分30秒ほど経過したあたりから始まります。

2025/05/21に公開- 指定なし

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昨日に続き、大阪万博のブルーオーシャンドームでの話ですが、売店で販売されているのが、写真の『海と山の超純水』。これ、高知の完全天日塩を熊野古道の水に溶かしただけの、単なる「塩水」です。 50ccほどの小さな小さな紙コップに入って、なんとお値段540円也。たっか！という声が聞こえてきそうですが、多くの方が同じ感想なのか、ほとんど売れていないようにお見受けしました。公式サイトには『人の手が加わる以前の自然の恵みを、一杯のカップに表現したものです。混じり気のない海の塩と山の水を合わせた塩水が、人々に清らかな感性を呼び起こします。』と書かれていますから、ある種の精神性を表現したものかと。まぁとにかく、どんな意味合いであっても、売れていない段階で成功とは言い難いわけですが、仮に200円とかにしておけば売上が増え、体験も多くの人に伝わったのではないかと想像してしまいます。価格設定って、大切だなぁ。飲んだ感想は、特にフツーです（笑）。そりゃ、ただの塩水ですから。勉強になった事としては、温度の大切さでしょうか。程よく温めて提供されるのですが、それが味覚的にも大きく影響しているように感じました。究極の引き算の味覚を、うまく成立させる鍵になっています。こんぶ土居にも製造原料として高知の完全天日塩はありますし、熊野古道の水ならぬ大阪市水道水を濾過した水（笑）で真似してつくってみたところ、ほぼ同じものができました。更に、ここに昆布のダシを少量加えてみたところ、断然に滋味深い、より素敵な飲み物になりました。ブルーオーシャンドームの趣旨としては、こちらの方が良かったのでは？昆布は偉大だなぁ。大阪昆布ミュージアムでイベントをする際には、ご来場者様にこれを提供してみようか。

2025/05/20に公開Expo2025 大阪・関西万博日本大阪府

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1986年に放送されたNHKのドキュメンタリー『大航海2500キロ　北前船・栄光の日々』によれば、『江戸時代、全国の物産の７割が大阪に集まり散っていった』とのこと。江戸時代の中頃に始まった北前船ですが、北海道の産物である昆布の文化が、大阪の地で華開いたわけで、やはりその影響は絶大であったようです。

2025/04/04に公開- 指定なし

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本日も先日に続き、ワケあって店主土居が昆布の佃煮製品を製造しています。今回は、しょうが昆布。真昆布と無農薬栽培された高知県産の生姜を、伝統調味料で炊き合わせます。爽やかな辛味と香りが、食欲をそそります。昆布は、他のどの素材とも喧嘩しない不思議な包容力を持った食品です。昆布佃煮に相性の良い副原料は生姜以外にも、鰹節、干椎茸、山椒などは定番中の定番でしょうか。季節のものならタケノコや、今は価格面で難しいですが松茸も素晴らしい相性を見せます。変わり種では、豚肉もすごく相性が良いのです。沖縄の伝承料理では、定番の組み合わせです。かつては世界的な長寿地域だった沖縄ですし、栄養価値的にも優れているのだと思います。

2025/04/04に公開- 指定なし

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『等級も生産年度も書かない』こんぶ土居の店頭で販売している、だし昆布製品に、等級の記載が一切ないことにお気づきでしょうか。これは、現在の検査規格では美味しさの保証にならないからです。一等検の昆布でも、私が見て問題があれば良い昆布だとして販売しませんし、例えば三等検だったとしても中に素晴らしい品質の昆布はいくらでも含まれているのです。つまり『北海道こんぶ製品規格』ではなく、こんぶ土居規格だとお考え下さい。しかし、言わばこれは当たり前のこと。こんぶ土居が販売する製品ですから、その品質上の責任が私共にあるのは当然で、外部の何かが定めた規格に立脚すること自体、本来おかしなことだと思われませんでしょうか。写真に映る昆布は、三等級でした。サイズが小さいので、そうなったのでしょう。しかし、味覚的に全く問題の無い品質です。また、適切な熟成を施した後に販売していますが、生産年度も書いていません。例えば、製品『天然真昆布一本撰』（写真２枚目）であれば、現在販売中のものは2016年産の昆布ですから、実に9年前に採取されたものです。言ってみれば『9年熟成』ですが、そんなことは製品ラベルに書きません。その理由は、昆布の熟成効果は環境次第であって、単純に年数だけで表せないこと。そして熟成にもピークがあり、期間が長ければ長いほど良いわけで無いことも理由です。『長期熟成』には、人の心を妙に惹きつける魔力のようなものがありますから、特に注意が必要です。このあたりのことについては、また改めて『こんぶ土居店主のブログ』で書きたいと考えています。

2025/04/03に公開- 指定なし

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『洗った水、それはダシ』２枚目の写真は、昨日製造した昆布の佃煮製品『山椒入り』に使う昆布を、水で洗った状態です。『洗う』と言っても、軽くです。そもそも、特に洗う必要など無いのかも知れませんが、天然昆布には他の海藻などが付着する可能性もあります。また、採取時に海底の砂などを巻き上げてしまう可能性もゼロではありません。そう言った意味で軽く洗っているわけですが、その際に出てきた水は、昆布だしそのものでして。普通にとった昆布だしとの違いは、昆布の表面のみから出て来た味であること。写真に見える通り、芯の部分まで吸水しているわけでは無いので。そう言った意味で、普通の昆布だしの味わいとは少々異なります。しかしこれはこれで、なかなか個性があって魅力的だと言えなくも無いのです。一般の方が、こういった味を感じる機会も無いと思うので、今日から数日間店頭で、この特殊な昆布出しの試飲をご用意致します。ご興味のある方は、店頭にてスタッフにお申し付け下さい。

2025/04/02に公開- 指定なし

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本日はワケあって、店主土居が昆布の佃煮を製造中。山椒入りです。この製品に含まれる甘味は、伝統製法のみりんと、和三盆糖によるもの。写真は、釜に和三盆を投入したところです。今や大変な貴重品である天然物の真昆布と、こういった調味料でつくられる製品。そりゃあ、美味しいに決まってます。たまに製造に入ることも大切ですね。現場で自分が手を動かして、初めて見えてくることも多いものです。明日は、そんな発見のひとつについて、書く予定です。

2025/04/01に公開- 指定なし

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『目に見える昆布の熟成』写真に映る二箱の昆布。ケースの厚みが全然違いますが、同じ重量です。全く同じ素性の昆布ですが、生産年度が違いまして、右側は直近の生産年度、2024年産。対しまして左側は、2019年産です。つまり、左側の昆布は採取後5年以上が経過しているわけです。ご注目いただきたいケースの厚みですが、元々は、左側も右と同じであったものが、徐々に薄くなってきたわけです。この厚み、実は昆布の熟成と大きく関係しています。昆布の熟成は少々難しい面もあり、当たり前のことを言うようですが「品質を劣化させず向上させる」ということが大切です。この両者は紙一重なところがあり、環境が適切に保たれている必要があります。昆布の熟成を一気に進ませるのは、梅雨時の湿度と高温であるわけですが、この「周囲の空気による影響」を「緩やかに与える」ということがとても大切です。それが急激であると、劣化に繋がる場合もあるわけです。その「緩やか」な影響のためには、狭い空間に昆布を大量に押し込めることが有効です。逆に、広い空間に少量の昆布を置いてしまうと、その場の空気の影響が一気に少量の昆布に及び、問題が出る可能性が高くなります。２枚目の画像で見ていただける通り、昆布は積み上げて保管するのです。下の段の昆布は、上に積まれた昆布の荷重を受け続けます。上下の積み換えをしたりしながら、ずっとこんな状態で保管します。前述の通り、梅雨時の影響が大なるわけですが、その時期の昆布は少し湿度を吸い込んで柔らかくなりますから、少しずつ少しずつ圧縮されていくのです。これが、昆布が熟成過程において梱包ケースの厚みが薄くなっていく仕組みです。昆布の熟成に関しては「こんぶ土居店主のブログ」でも何度か書いています。 2020-06-27「昆布の熟成について」 2021-09-04「昆布の熟成効果のリミット」 2023-03-23「昆布を平たく伸ばすことの意味」などでしょうか。ご興味あれば、ご一読下さい。

2025/03/27に公開- 指定なし

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昨日、少々刺激的なことを書いた、今年2025年大阪の某巨大イベントのこと。私は、伝統食文化としての価値と持続可能性に関する社会課題との両面で、この国家イベントにて昆布の現状をお伝えすること以上にふさわしいテーマは無いと考え、4年以上前から働きかけていた経緯があります。「こんぶ土居店主のブログ」の2021年1月29日の投稿（画像）で見ていただける通りです。 https://konbudoi4th.hatenablog.com/entry/2021/01/29/092653 昨日に現場を下見させて頂いたわけですが、掲げているテーマと実際とが、余りにかけ離れていたことに衝撃を受けたのです。私が昆布のお話をさせていただくエリアが、テーマとして掲げているものとは、以下の通りです。 ①「大阪」「ヘルスケア」 ②「Reborn」 ③「ミライの食の文化」まず、①ですが、パビリオンの名前が「大阪ヘルスケアパビリオン」ですので、大阪に関することと、健康に関することがテーマでしょう。であれば、大阪の独自食文化としての昆布のことをお伝えし、同時にそれが健康にどのように繋がるのかをご説明します。 ②は、天然真昆布の常態化した大不作に見て取れるように、沿岸環境は危機的な状況にあります。それを正に「再生」させなければならないわけです。先にご紹介したブログにも書いています通り、このパビリオンのテーマが「Reborn」ですので、これほど適したテーマはありません。 ③の「ミライの食の文化」は、このパビリオンの中の、私がお話させていただく場の名称です。ですので、私なりに「食の未来」と「文化」という切り口から昆布についてお話する予定です。しかし昨日の下見で、この場にて展開される他の要素が、これらの趣旨と何の関係もないものが多いように見えたものですから、ガッカリして嘆かわしい気持ちになったわけです。しかし昨日書いた通り、であれば尚の事、私が本来の趣旨に沿った正しい内容を発信する必要があると思うようになりました。本番まであと1か月もありませんが、少しでも良い内容を考えて臨みたいと思います。

2025/03/26に公開- 指定なし

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今年2025年、大阪の埋立地にて国を挙げて開催される気持ち悪いマスコットキャラクターが印象的な某巨大イベント。 4月に会場にて昆布の話をするよう承っているので、合同現地視察会に参加してきた。正直もう、参加するのやめたい。下らないにも程がある。、、といった事を、余りに衝撃的な下らなさを目の当たりにして、衝動的に書いてしまったが、思い直した。「ミライの食と文化」などと銘打たれたスペースで、文化と何の関係も無さそうな自社の営利だけのために出展していそうな企業の数々と、それを受け入れるイベント運営。しかし見方を変えれば、そういった企業の多額の出資によってパビリオンが維持されているのだろう。その中身は必然的に下らないものになるのだが、だからこそ、せめて私ぐらいは頑張って「本物の文化」を見せないといけない。そう考え直した。

2025/03/25に公開- 指定なし

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『高田屋嘉兵衛すごろく』大阪の昆布文化をご理解いただくための、小さな小さな資料館「大阪昆布ミュージアム」では、少しずつ展示物の充実を図っております。その中でも現在取り組んでいるのが、北前船の船主であった高田屋嘉兵衛について。「箱館発展の恩人」と称されるほど、真昆布産地である道南地方に貢献した人物です。高田屋嘉兵衛は淡路島の出身ですが、こんぶ土居の初代も淡路の人。それだけでなく、大阪の昆布の同業者の中には、ルーツを淡路島に持つ人の割合が異常に多いのです。淡路、大坂、箱館。この関りについて理解を深めていただくために、昆布を軸に展示物を考えたいと思っています。写真に撮りましたのは、淡路島の「高田屋嘉兵衛翁顕彰会」さんが制作された「嘉兵衛すごろく」。大阪昆布ミュージアムの４階に掲示しているものです。本年1月26日に開催された、大阪に於ける函館人会「関西函館をおもう会」にて頂戴しました。嘉兵衛の生涯が、とてもうまくまとめられています。関西函館をおもう会と言えば、当日は私が昆布の話をさせていただくお役目を頂戴したのですが、時間が短かったので、補足の動画を作ったのです。函館の方はもちろん、真昆布の現状について理解を深めたい方には、是非見て頂きたいです。 YouTubeチャンネル『大阪昆布ミュージアム』にて公開しています。

2025/03/22に公開- 指定なし

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